GitHub で Hermes Agent のスター数が 17 万前後 に迫る一方、「コマンドが見つからない」「Telegram が返信しない」「アップグレード後に設定が消えた」といった声も増えています。本記事は、当日中に動かすことを目的にした実務向け Runbook です。想定読者:macOS、Linux、または WSL2 上で v0.15.x を導入し、Telegram を 7×24 で使いたい開発者です。得られるもの:コピー可能な一発インストール、hermes doctor による受け入れ確認、モデルと Gateway の設定手順、12 項目のエラー対照、常駐ホストの選定指針です。構成:導入の落とし穴 → 環境表 → 8 ステップ → 数値根拠 → プラットフォーム比較 → まとめと FAQ です。
2026 年 5 月末時点で、Nous Research は Hermes を v0.15.2 まで押し上げ、pip install hermes-agent と従来の curl | bash の二系統を並行提供しています。注目度は高い一方、多くの解説記事は次のような「実際の詰まりどころ」を飛ばしがちです。
hermes を ~/.zshrc に追記しても source しないと command not found になります。これが最多で、「インストール失敗」と誤認されやすいです。python3 -m hermes 直叩きでは dotenv 不足になることがあります。正しい入口は ~/.hermes/hermes-agent/venv/bin/hermes です。API key not set で止まるのは、hermes setup や hermes model を飛ばした典型例です。hermes gateway の長寿命プロセスが必要です。hermes だけ動かしても、スマートフォン側には返信が届きません。/ コマンドのみ応答します。BotFather で Group Privacy を切らないと「壊れた」と判断しがちです。Missing config after update が出ます。hermes config check && hermes config migrate が必要です。OpenClaw との違いを一言でまとめると、OpenClaw はマルチチャネル Gateway と npm / Compose 中心の運用エコシステムに強く、Hermes は MEMORY.md / USER.md によるセッション横断記憶、タスク後の Skill 自動蓄積、MCP 拡張に軸を置いています。概念とハード選定は当サイトの 三層メモリ・アーキテクチャ記事 を、初月の体感は 30 日運用記 をご覧ください。本稿は「入る・つながる・守る」に範囲を絞ります。
公式インストールスクリプトは Python 3.11(uv 経由)、Node.js 22、ripgrep、ffmpeg を自動で入れます。あなたが用意するのは git の利用可能性、GitHub raw への到達性、選んだ LLM API のキー程度で足ります。リモート Mac に SSH したあと実行しても、手順はローカルと同一です。
| 項目 | 最低 | 推奨(本番 Gateway) |
|---|---|---|
| OS | macOS 12+、Ubuntu 20.04+、WSL2 | macOS 14+(Apple Silicon)/ Ubuntu 24.04 LTS |
| メモリ | 4 GB(クラウド API + Gateway のみ) | 16 GB(ブラウザ自動化 + 複数 Skill キャッシュ) |
| ディスク | 約 1.5 GB(Skills 含む) | 20 GB SSD(ログ + SQLite WAL) |
| ネットワーク | GitHub raw 取得可 | LLM API 出口が安定・低遅延 |
| Windows | PowerShell ネイティブ(Early Beta) | WSL2 + Linux 一発スクリプト(公式で最も安定) |
ヘッドレスサーバー:ブラウザ自動化が不要なら --skip-browser を付けて Camoufox 関連を省略でき、ディスクとメモリを抑えられます。
以下は macOS / Linux / WSL2 で共通です。検証用の軽いタスクから始め、問題があれば各ステップで止めて切り分けると安全です。
✅ Hermes Agent installed at ~/.hermes の表示です。source ~/.zshrc(または source ~/.bashrc)。新規ターミナルでも構いません。hermes doctor が Python、Node、PATH、API Key など約 12 項目を確認します。hermes --version は v0.15.x であることが望ましいです。hermes setup。既にキーがある場合は hermes model、または hermes config set OPENROUTER_API_KEY sk-or-xxxx で ~/.hermes/.env に書き込みます。hermes を起動し、「現在のディレクトリのファイルを一覧して」など軽い指示でツールチェーンが動くか確認します。@BotFather → /newbot → Token を保存。@userinfobot で数字のユーザー ID を取得します。hermes gateway setup で Telegram を選び Token を貼るか、TELEGRAM_BOT_TOKEN と TELEGRAM_ALLOWED_USERS を手動で設定します。hermes gateway。本番は hermes gateway install && hermes gateway start(macOS は launchd、Linux は systemd)です。日常のツール呼び出しとクラウドルーティングには OpenRouter や複数モデル実験が向きます。企業向け Claude は Anthropic API / OAuth。設定を最小にしたい場合は Nous Portal(hermes setup --portal)も選択肢です。ローカル重視なら Ollama の Base URL を hermes model に指定します。v0.15 では Grok プロバイダと x_search ツールも利用可能で、必要に応じ hermes tools で有効化してください。
# 公式一発インストール(macOS / Linux / WSL2) curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.sh | bash # ヘッドレスサーバー向け(任意) # curl -fsSL .../install.sh | bash -s -- --skip-browser source ~/.zshrc hermes doctor hermes setup # Telegram Gateway(対話ウィザード) hermes gateway setup hermes gateway install hermes gateway start hermes gateway status
# Linux システム全体の Gateway(起動時自動、root が必要) sudo hermes gateway install --system sudo hermes gateway start --system journalctl -u hermes-gateway -f
| エラー / 現象 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
hermes: command not found |
PATH 未読み込み | source ~/.zshrc または新規ターミナル |
API key not set |
LLM 未設定 | hermes model / ~/.hermes/.env へ記載 |
Missing config after update |
移行未完了 | hermes config check && hermes config migrate |
No module named 'dotenv' |
システム Python 誤使用 | venv 内の hermes 実行ファイルを使用 |
| Telegram グループ無応答 | プライバシーモード / 再招待不足 | BotFather で Group Privacy 無効、一度外して再招待 |
| Gateway 起動直後に終了 | Token またはユーザー ID 誤り | TELEGRAM_ALLOWED_USERS が数字 ID のみか確認 |
curl: (7) Failed to connect |
プロキシ / ファイアウォール | raw.githubusercontent.com への HTTPS を許可 |
Node version 警告 |
古い Node が PATH 優先 | doctor の指示に従い nvm またはスクリプト同梱 Node を優先 |
Address already in use |
Gateway ポート競合 | 既存 hermes gateway を停止、gateway status で確認 |
| WSL2 から Telegram 不可 | Windows ファイアウォール | WSL2 のネットワークモード確認、必要なら Linux VM へ移行 |
Ollama connection refused |
デーモン未起動 / URL 誤り | ollama serve、Base URL を hermes model に一致 |
launchd が not loaded |
ユーザーサービス未インストール | hermes gateway install 後 start、gateway status で確認 |
Hermes を「動かす」と「止まらず動かす」は別問題です。Telegram 本番と Skill 複利を狙うなら、後者の設計が本体になります。
| プラットフォーム | 7×24 可用性 | Skill 複利 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 個人 MacBook | フタ閉めで断(約 60%) | 頻繁に中断 | POC、当日のデバッグ |
| x86 VPS 4GB | 約 99.5% | 安定だが macOS ネイティブ経路なし | Linux 専門、Camoufox 不要 |
| Raspberry Pi 4B 8GB | 約 88% | I/O ボトルネック、長タスクでタイムアウト | 試験用途、本番 Gateway 非推奨 |
| Mac mini M4 レンタル | データセンター 30 日オンライン | launchd 常駐 + UMA | Telegram 本番 + macOS Skill 経路 |
本稿の 8 ステップを順に踏めば、多くの読者は 30〜60 分 で Hermes CLI と Telegram Gateway の初通まで到達できます。代替案の弱点も明確です。(a) ノート PC は 7×24 を担保できず、Gateway と Skill 書き込みが途切れます。(b) 低配 VPS は macOS 上の curl | bash や Camoufox ブラウザ Skill 経路がありません。(c) Mac mini を自購すると、設備費・回線・騒音がすべて自前負担になります。
Hermes が反復作業を肩代わりできると確認でき、月額固定・SSH 10 分交付・退租前に ~/.hermes/ を丸ごと持ち出ししたい場合は、MACCOME 専有 Mac mini M4 クラウドノードが現実的な選択肢になることが多いです。実機 Apple Silicon、launchd ネイティブ常駐、本記事のコマンドとの完全互換が揃います。アーキテクチャと TCO は アーキテクチャ決定記事 を、料金は レンタル料金ページ でリージョン別にご確認ください。
よくある質問
Hermes Agent と OpenClaw は同一 Mac に共存できますか?
可能です。設定は ~/.hermes と ~/.openclaw で分離し、メモリとディスクに余裕を持たせてください。OpenClaw の運用記事は当ブログのインストール比較系を参照し、Hermes を 7×24 にする場合は専用ホストまたは レンタルノード を検討するのが無難です。
v0.15 は pip でも入れられますか?
pip install hermes-agent && hermes で問題ありません。初回は hermes doctor を必ず実行してください。git 系スクリプトと pip は二重に venv を作らないよう、どちらか一方に統一するのがおすすめです。
Gateway のログはどこで見られますか?
フォアグラウンド実行ならターミナル出力です。systemd では journalctl -u hermes-gateway -f。macOS ユーザーサービスは hermes gateway status です。詳細な運用手順は ヘルプセンター をご覧ください。
退租前に Hermes データを移すには?
~/.hermes/ 全体(skills/、memories/、sessions の SQLite 含む)をアーカイブし、新ホストへ展開すれば復元できます。MACCOME では退租前の自助クリーンアップにも対応しており、手順はヘルプセンターに記載しています。